【コラム】EDH(統率者戦)のヘイト論
2019年11月29日 コラムこんにちはもしくはこんばんは。
Mana CapsuleのGOだ。
年末、知人の家でパーティゲームとしてEDH(統率者戦)を楽しむ時期が近づいている。
GOはEDHが好きだ。そこでまた記事を書こうと思う。
以前にもEDHについての記事を書いた。
【コラム】EDHの楽しみ方の考察
https://manacapsule.diarynote.jp/201811292003475511/
が、今回は別の視点として、ヘイトについて記事を書こうと思う。
ヘイトという考え方が上手に扱えずになかなか勝てない人に参考になれば。
■EDHにおけるヘイト
ヘイトとはそもそも何なのか?
ヘイトが高い状態というのは、その誰かが有利になっている。もしくは勝ちに近い状態にある事で、
その人を抑止、対処したい状態の事を言う。勝つために必要な妨害欲求である。
そのため、ヘイトとは簡単に言えば「今、誰を狙うか、誰を倒すか」という
プレイヤーにとっての狙いそのものという捉え方のがわかりやすい。
その上でEDH(統率者戦)においてのヘイトが高い行動、ヘイトが向く瞬間とはなにか?
これは具体的なシーンが非常によくあるから理解しやすいだろう。
・誰かがものすごい量のクリーチャーを展開していたらヘイトが高い?
・誰かが追加ターンを連続で唱えたらヘイトが高い?
・マナファクトを大量展開して手札を蓄えコンボを決めようとしているとヘイトが高い?
目立った強い行動をしている人に対して他のメンバーのヘイトは向きがちだ。
個人的には、こういった目立った相手に対してヘイトを向けるのは正しいが、
ヘイトの考え方の表層に過ぎない。
理由は、その時その時の盤面が強い相手にヘイトを向けて対処したところで、
最終的に自分が勝てるかどうか?が一切考慮されてないからだ。
そういった表層にとらわれると、誰も目立った行動の無い真っ平らな状況。
つまりヘイトのない状態から誰から殴るか?
に悩んでわからないという状況を生んでしまう。
ヘイトの考え方がうまくいかずに負けるプレイヤーの多くは、
自分が勝つために倒すべき真の敵は誰か?を見落としてしまっているのではないか?
どのようにしてヘイトを捉えるかを以下に解説する。
■潜在的ヘイトについて
大事なのは自分の周りへのヘイトをゲームする前から考えておく事である。
潜在的ヘイト…つまり、ゲームをする前から誰が勝利に近いかを考える必要がある。
例えば、以下に具体例をだそう。これはマナカプ内で実際に行われたマッチである。
あなた 【世界の咆哮、アラーボ/Arahbo, Roar of the World】
→緑白、ビートのみが勝ち手段で妨害はパーマネントと墓地干渉。
【ニヴ=ミゼット再誕/Niv-Mizzet Reborn】
→5色、コントロールでコンボはなし。妨害多数。
【初祖スリヴァー/The First Sliver】
→5色、ビートプラン、コンボプランあり。
【熊の女王、アイユーラ/Ayula, Queen Among Bears】
→緑単色、コンボはなし。
さて、あなたなら誰から狙うだろうか?
ここでの考え方として、最終的に1対1になった時に勝てそうか?
を考えるのが良い。
上から順に
【ニヴ=ミゼット再誕】とタイマン
→勝算小
こちらがビートなのでかなり厳しい。相手のリソース補填でやられる。
【初祖スリヴァー】とタイマン
→勝算なし
絶対に勝てない。部族としても相手が強く、即死コンボまである。
【熊の女王、アイユーラ】とタイマン
→勝算大
この中では一番まし。一番勝算がある。
となる。特にコンボに干渉する手段は無いデッキのため、
最も効果的な対抗策は先に倒してしまう。だ。
①【初祖スリヴァー】
②【ニヴ=ミゼット再誕】
③【熊の女王、アイユーラ】
が倒す順番であり、あなたの潜在ヘイトの高い順である。ゲームの展開によるが、
基本的にはこの順番で倒せるようにゲームを動かすのを意識する。
ちなみに自分がコンボデッキだと考え方、潜在的ヘイトの評価軸が変わる、
<自分のコンボよりも相手のコンボが速いか?>
と
<自分のコンボに対して妨害手段があるか?>
の2つの視点から事前に倒す優先順位を決めることになる。
■状況によるヘイトについて
さて、冒頭で説明した目立った行動へのヘイトだが、ココで一番大事なのは
【誰が、ヘイトの高い行動を行っているか?】である。
強い盤面の人は目立つが、あくまで目立っているだけであることを加味するのが大事だ。
さきほどの例でいえば、第一に倒すべき【初祖スリヴァー】がヘイトを買う行動に走った場合は、
周りに相談しなんとか倒そうと協力を呼びかけるべきとなる。
意見が合致するプレイヤーがいるなら協力すればいい。
【熊の女王、アイユーラ】がとんでもないクリーチャーを場に出している時は、
自分よりも先により危険な5色を一緒に倒そうと呼びかけ、虎の威を狩る狐のごとく過ごすべきだ。
ただ自分より目立つから妨害するでは絶対に勝てない。
大事なのは勝つために必要な道筋、つまり潜在的ヘイト+状況ヘイトに対して、
交渉するか、見過ごすか、妨害するかどうかの判断だ。
■他人の狙いは何か
加えて大事になるのは、<対戦相手の考えている狙い、対戦相手の視点のヘイト>である。
例えば上の例でいうと、対戦相手の【熊の女王、アイユーラ】側の潜在的ヘイトは、
あなたと倒す順番はほぼほぼ同じ順番で最終1対1までの同盟が成立しやすい。
【ニヴ=ミゼット再誕】側の場合は、【初祖スリヴァー】を倒した後にアイユーラと合わせて
コンボなし2対1に持ち込むのが一番ラクな流れだ。ただし、その後の物量戦をしなければならないので
コンボで即死が決まらない限りは【初祖スリヴァー】討伐に協力はしてこないだろう。
【初祖スリヴァー】側はコンボ完成を目指しまっすぐ動くか、
もしコンバットが発生する場合は唯一タイマンで負けうる【ニヴ=ミゼット再誕】を
先に落とした後に残りを蹂躙する事になる。残念ながら同盟はしてはいけない。
こういった背景を掴む事で、誰とどのタイミングまで協力が成立するのが正解かが明確にわかる。
その人に対して同盟を持ちかける際の説得が非常に容易になる。
すべてを含めて長期的方針が立っていると、呪文のプレイ、妨害のはさみ方、攻撃対象
同盟交渉などに一貫性が保ちやすく、勝てる状況を作りやすくなる。
ただし、考慮する内容はとてつもなく多いので、考慮ミスも起こりうる。
こればかりは毎プレイを通して鍛錬するしかない。
また、相手にとって勝てない状況を作るのもご法度である。
なぜならば、勝てないならば場を荒らすといった行為に走る事も、
そのプレイヤーにとって間違いではなくなるからだ。
勝てない状況にされるくらいなら、そういった状況を作ってくる
プレイヤーごと道連れにする事も多々あるだろう。
その状況にならないようにプレイするのに、対戦相手の視点で考えておく事の重要性は大きい。
ちなみに、上記の流れを把握してないプレイヤーは一定数以上いる。
こういったヘイトについての記事の少なさが裏付けになっているが、
そもそも速度重視の妨害ゼロのコンボデッキの場合、シーソーのように機敏に変化する
ヘイトなど考える必要はないのだから。
コンボなど簡単な解法に頼りすぎると、潰しあった後の細かいプレイやコンバット先を
ミスして敗北する事はありうるのだ。
■ヘイトのミスリード
ヘイトの考え方は上記ですべてだが、全員が全員このように考えている訳ではない。
よって、コミュニケーションによるヘイト誘導によって、本来狙われるべきでない
タイミングで自分が集中狙いされる雰囲気を作られる事も多々ある。
正しく考えれば、迎合している誰かにとっては不利条件になるミスリードなのだが。
この場合は考えているあなたがその人に説得を行うべきだ。
なぜならばあなたと迎合しているその人の2人が損する事になるのだから。
以下に例をあげる。
①自分のデッキが一番危険で、かつ相手に対抗手段が薄い人が多い時
→これは自分が魔王になって魔王戦となる。3人同時に倒すしかない。
交渉に持ち込んでもいいが、交渉に乗るのは甘い相手だけとなる。
必然的に最後は裏切りが発生するのでさしずめ人狼になりたければするといい。
②相手の方が危険なデッキだが、一時的に自分が目立ってしまった時
→危険なデッキを倒すためにどうしても展開しないといけない。他の人は狙うとしても後にする。
終わったら対処してもらって構わない。といった、停戦協定の説得をしなければならない。
他人のデッキの危険性に共通認識が取れていれば、袋叩きにはされないはずである。
それでも説得できなければ、卓内の危険デッキの人が笑うだけである。
必死に抵抗するもよし。荒らす側に回るもよし。
③全員同じくらいのデッキパワーの時
→目立つのであれば一時的に3対1になっても勝てる算段がある時に動く。
そうでない場合は、他の1人がヘイト行動に走った際に、一緒に走ると
強い行動でも咎められにくい。これは勝つためにタイミングを見て行動するのが大事。
ちなみに、自分自身がコミュニケーションによって相手にミスリードを働く事もできるが、
個人的にはそういったプレイは避けるべきだと思われる。
理由は、ゲームとはいえ紳士的ではないし、あまり繰り返すと
ゲーム中の信用がなくなってしまい、人物ヘイトがバカみたいに高まるからである。
また、ゲーム中に口プレイがバレるともちろん人狼のごとく吊るしあげにされる。
用法用量を守って正しく発言したい。
■ヘイトコントロールするための事前準備
これまでがプレイする上でのヘイトの考え方だが、
構築時点で気をつけなければならないところも必然的に見えてくる。
①潜在的ヘイトを考慮した統率者、勝ち筋選び
まず、潜在的ヘイトは統率者のカードによって決まる事が多い。
強いジェネラルは強そうってだけで袋叩きされる事もありうる。
また、勝ち手段をコンボのみとするだけでも、対抗力のない殴り統率者にボコボコにされる可能性もある。
強いデッキを使う場合は、3人同時に相手できる構成を検討すべきだし、覚悟も必要だ。
②途中の交渉に必要な妨害カード
コンボに頼らずに3人を同時に相手して圧倒できるデッキは稀だ。
ビートで倒していくなら、必ずひとりひとり沈めていく必要がある。
この際に、自分の動きのみ搭載したデッキを使っている場合、攻撃先でしか協力ができない。
肝心なタイミングで他の人を支援できない可能性がある。
そして協力できないデッキ構成の相手というのは当然同盟を持ちかけにくので、
真っ先に落とされる可能性が高くなる。
コンボを搭載してなくても、交渉ができる相手への妨害カードはしっかり積むべきだ。
デッキ単体のパワーは落とす事になるが、正しくプレイできれば交渉と合わせると勝率は上がるはずだ。
■ヘイトで考えてはいけない相手
ここまで書いておいて、ヘイトの考え方が通用しない例外が存在する。
それは【勝とうとしないプレイヤー】である。
これは、例えば愉快犯に走るプレイ。
例えば、守る手段で固めて攻める手段が無いデッキ。
こういった状況が存在する。
これに対する対処はかなり難しい。
理由は相手のヘイトを計算に入れるのが難しいからだ。
麻雀でアガリを目指さない相手の手を予想するのは不可能なのと同じだ。
場の太陽の指輪4枚のコントロールを奪取して集めたい!とかどんな衝動的ヘイトだよ…。
ただし、それもEDH(統率者戦)ならではの楽しみの側面も否定できない。
こればかりは心を広く、そういうのも楽しいな~。と思ったほうが良い。
いきなり道連れにされることもある。ショーとして楽しむ心が大事。
■まとめ
長々書いたが、少なくともGOはこれまでの
EDHの経験からこういった事を考えながら遊んでいる。
①ゲーム開始以前に相手の倒すべき順番をきめる。
②倒すべき順番の高い人のヘイト行為は頑張って妨害、
順番が低い人のヘイト行為は傍観や協力などする。
③対戦相手にとってのヘイトを予想し、立ち回る。
④上記のヘイト論を説得材料に交渉をしていく。
ミスリードする人狼を暴いて叩く。
⑤ヘイトコントロール、交渉ができるデッキ構成にしておく。
⑥そこまで策を尽くした上で、愉快犯にやられた時は笑う。
もちろん全部を考える必要はないし、
もっと頭をからっぽにして楽しむのも良い。
どうせ遊びなのだから。
個人的には、難度の高い無理ゲーに挑むのは楽しいので、
コンボなど入れず、ビートで120点を削りきりを完遂して勝てる時は格別に楽しいものだ。
皆様のEDHライフがより楽しくなりますように。
Mana CapsuleのGOだ。
年末、知人の家でパーティゲームとしてEDH(統率者戦)を楽しむ時期が近づいている。
GOはEDHが好きだ。そこでまた記事を書こうと思う。
以前にもEDHについての記事を書いた。
【コラム】EDHの楽しみ方の考察
https://manacapsule.diarynote.jp/201811292003475511/
が、今回は別の視点として、ヘイトについて記事を書こうと思う。
ヘイトという考え方が上手に扱えずになかなか勝てない人に参考になれば。
■EDHにおけるヘイト
ヘイトとはそもそも何なのか?
ヘイトが高い状態というのは、その誰かが有利になっている。もしくは勝ちに近い状態にある事で、
その人を抑止、対処したい状態の事を言う。勝つために必要な妨害欲求である。
そのため、ヘイトとは簡単に言えば「今、誰を狙うか、誰を倒すか」という
プレイヤーにとっての狙いそのものという捉え方のがわかりやすい。
その上でEDH(統率者戦)においてのヘイトが高い行動、ヘイトが向く瞬間とはなにか?
これは具体的なシーンが非常によくあるから理解しやすいだろう。
・誰かがものすごい量のクリーチャーを展開していたらヘイトが高い?
・誰かが追加ターンを連続で唱えたらヘイトが高い?
・マナファクトを大量展開して手札を蓄えコンボを決めようとしているとヘイトが高い?
目立った強い行動をしている人に対して他のメンバーのヘイトは向きがちだ。
個人的には、こういった目立った相手に対してヘイトを向けるのは正しいが、
ヘイトの考え方の表層に過ぎない。
理由は、その時その時の盤面が強い相手にヘイトを向けて対処したところで、
最終的に自分が勝てるかどうか?が一切考慮されてないからだ。
そういった表層にとらわれると、誰も目立った行動の無い真っ平らな状況。
つまりヘイトのない状態から誰から殴るか?
に悩んでわからないという状況を生んでしまう。
ヘイトの考え方がうまくいかずに負けるプレイヤーの多くは、
自分が勝つために倒すべき真の敵は誰か?を見落としてしまっているのではないか?
どのようにしてヘイトを捉えるかを以下に解説する。
■潜在的ヘイトについて
大事なのは自分の周りへのヘイトをゲームする前から考えておく事である。
潜在的ヘイト…つまり、ゲームをする前から誰が勝利に近いかを考える必要がある。
例えば、以下に具体例をだそう。これはマナカプ内で実際に行われたマッチである。
あなた 【世界の咆哮、アラーボ/Arahbo, Roar of the World】
→緑白、ビートのみが勝ち手段で妨害はパーマネントと墓地干渉。
【ニヴ=ミゼット再誕/Niv-Mizzet Reborn】
→5色、コントロールでコンボはなし。妨害多数。
【初祖スリヴァー/The First Sliver】
→5色、ビートプラン、コンボプランあり。
【熊の女王、アイユーラ/Ayula, Queen Among Bears】
→緑単色、コンボはなし。
さて、あなたなら誰から狙うだろうか?
ここでの考え方として、最終的に1対1になった時に勝てそうか?
を考えるのが良い。
上から順に
【ニヴ=ミゼット再誕】とタイマン
→勝算小
こちらがビートなのでかなり厳しい。相手のリソース補填でやられる。
【初祖スリヴァー】とタイマン
→勝算なし
絶対に勝てない。部族としても相手が強く、即死コンボまである。
【熊の女王、アイユーラ】とタイマン
→勝算大
この中では一番まし。一番勝算がある。
となる。特にコンボに干渉する手段は無いデッキのため、
最も効果的な対抗策は先に倒してしまう。だ。
①【初祖スリヴァー】
②【ニヴ=ミゼット再誕】
③【熊の女王、アイユーラ】
が倒す順番であり、あなたの潜在ヘイトの高い順である。ゲームの展開によるが、
基本的にはこの順番で倒せるようにゲームを動かすのを意識する。
ちなみに自分がコンボデッキだと考え方、潜在的ヘイトの評価軸が変わる、
<自分のコンボよりも相手のコンボが速いか?>
と
<自分のコンボに対して妨害手段があるか?>
の2つの視点から事前に倒す優先順位を決めることになる。
■状況によるヘイトについて
さて、冒頭で説明した目立った行動へのヘイトだが、ココで一番大事なのは
【誰が、ヘイトの高い行動を行っているか?】である。
強い盤面の人は目立つが、あくまで目立っているだけであることを加味するのが大事だ。
さきほどの例でいえば、第一に倒すべき【初祖スリヴァー】がヘイトを買う行動に走った場合は、
周りに相談しなんとか倒そうと協力を呼びかけるべきとなる。
意見が合致するプレイヤーがいるなら協力すればいい。
【熊の女王、アイユーラ】がとんでもないクリーチャーを場に出している時は、
自分よりも先により危険な5色を一緒に倒そうと呼びかけ、虎の威を狩る狐のごとく過ごすべきだ。
ただ自分より目立つから妨害するでは絶対に勝てない。
大事なのは勝つために必要な道筋、つまり潜在的ヘイト+状況ヘイトに対して、
交渉するか、見過ごすか、妨害するかどうかの判断だ。
■他人の狙いは何か
加えて大事になるのは、<対戦相手の考えている狙い、対戦相手の視点のヘイト>である。
例えば上の例でいうと、対戦相手の【熊の女王、アイユーラ】側の潜在的ヘイトは、
あなたと倒す順番はほぼほぼ同じ順番で最終1対1までの同盟が成立しやすい。
【ニヴ=ミゼット再誕】側の場合は、【初祖スリヴァー】を倒した後にアイユーラと合わせて
コンボなし2対1に持ち込むのが一番ラクな流れだ。ただし、その後の物量戦をしなければならないので
コンボで即死が決まらない限りは【初祖スリヴァー】討伐に協力はしてこないだろう。
【初祖スリヴァー】側はコンボ完成を目指しまっすぐ動くか、
もしコンバットが発生する場合は唯一タイマンで負けうる【ニヴ=ミゼット再誕】を
先に落とした後に残りを蹂躙する事になる。残念ながら同盟はしてはいけない。
こういった背景を掴む事で、誰とどのタイミングまで協力が成立するのが正解かが明確にわかる。
その人に対して同盟を持ちかける際の説得が非常に容易になる。
すべてを含めて長期的方針が立っていると、呪文のプレイ、妨害のはさみ方、攻撃対象
同盟交渉などに一貫性が保ちやすく、勝てる状況を作りやすくなる。
ただし、考慮する内容はとてつもなく多いので、考慮ミスも起こりうる。
こればかりは毎プレイを通して鍛錬するしかない。
また、相手にとって勝てない状況を作るのもご法度である。
なぜならば、勝てないならば場を荒らすといった行為に走る事も、
そのプレイヤーにとって間違いではなくなるからだ。
勝てない状況にされるくらいなら、そういった状況を作ってくる
プレイヤーごと道連れにする事も多々あるだろう。
その状況にならないようにプレイするのに、対戦相手の視点で考えておく事の重要性は大きい。
ちなみに、上記の流れを把握してないプレイヤーは一定数以上いる。
こういったヘイトについての記事の少なさが裏付けになっているが、
そもそも速度重視の妨害ゼロのコンボデッキの場合、シーソーのように機敏に変化する
ヘイトなど考える必要はないのだから。
コンボなど簡単な解法に頼りすぎると、潰しあった後の細かいプレイやコンバット先を
ミスして敗北する事はありうるのだ。
■ヘイトのミスリード
ヘイトの考え方は上記ですべてだが、全員が全員このように考えている訳ではない。
よって、コミュニケーションによるヘイト誘導によって、本来狙われるべきでない
タイミングで自分が集中狙いされる雰囲気を作られる事も多々ある。
正しく考えれば、迎合している誰かにとっては不利条件になるミスリードなのだが。
この場合は考えているあなたがその人に説得を行うべきだ。
なぜならばあなたと迎合しているその人の2人が損する事になるのだから。
以下に例をあげる。
①自分のデッキが一番危険で、かつ相手に対抗手段が薄い人が多い時
→これは自分が魔王になって魔王戦となる。3人同時に倒すしかない。
交渉に持ち込んでもいいが、交渉に乗るのは甘い相手だけとなる。
必然的に最後は裏切りが発生するのでさしずめ人狼になりたければするといい。
②相手の方が危険なデッキだが、一時的に自分が目立ってしまった時
→危険なデッキを倒すためにどうしても展開しないといけない。他の人は狙うとしても後にする。
終わったら対処してもらって構わない。といった、停戦協定の説得をしなければならない。
他人のデッキの危険性に共通認識が取れていれば、袋叩きにはされないはずである。
それでも説得できなければ、卓内の危険デッキの人が笑うだけである。
必死に抵抗するもよし。荒らす側に回るもよし。
③全員同じくらいのデッキパワーの時
→目立つのであれば一時的に3対1になっても勝てる算段がある時に動く。
そうでない場合は、他の1人がヘイト行動に走った際に、一緒に走ると
強い行動でも咎められにくい。これは勝つためにタイミングを見て行動するのが大事。
ちなみに、自分自身がコミュニケーションによって相手にミスリードを働く事もできるが、
個人的にはそういったプレイは避けるべきだと思われる。
理由は、ゲームとはいえ紳士的ではないし、あまり繰り返すと
ゲーム中の信用がなくなってしまい、人物ヘイトがバカみたいに高まるからである。
また、ゲーム中に口プレイがバレるともちろん人狼のごとく吊るしあげにされる。
用法用量を守って正しく発言したい。
■ヘイトコントロールするための事前準備
これまでがプレイする上でのヘイトの考え方だが、
構築時点で気をつけなければならないところも必然的に見えてくる。
①潜在的ヘイトを考慮した統率者、勝ち筋選び
まず、潜在的ヘイトは統率者のカードによって決まる事が多い。
強いジェネラルは強そうってだけで袋叩きされる事もありうる。
また、勝ち手段をコンボのみとするだけでも、対抗力のない殴り統率者にボコボコにされる可能性もある。
強いデッキを使う場合は、3人同時に相手できる構成を検討すべきだし、覚悟も必要だ。
②途中の交渉に必要な妨害カード
コンボに頼らずに3人を同時に相手して圧倒できるデッキは稀だ。
ビートで倒していくなら、必ずひとりひとり沈めていく必要がある。
この際に、自分の動きのみ搭載したデッキを使っている場合、攻撃先でしか協力ができない。
肝心なタイミングで他の人を支援できない可能性がある。
そして協力できないデッキ構成の相手というのは当然同盟を持ちかけにくので、
真っ先に落とされる可能性が高くなる。
コンボを搭載してなくても、交渉ができる相手への妨害カードはしっかり積むべきだ。
デッキ単体のパワーは落とす事になるが、正しくプレイできれば交渉と合わせると勝率は上がるはずだ。
■ヘイトで考えてはいけない相手
ここまで書いておいて、ヘイトの考え方が通用しない例外が存在する。
それは【勝とうとしないプレイヤー】である。
これは、例えば愉快犯に走るプレイ。
例えば、守る手段で固めて攻める手段が無いデッキ。
こういった状況が存在する。
これに対する対処はかなり難しい。
理由は相手のヘイトを計算に入れるのが難しいからだ。
麻雀でアガリを目指さない相手の手を予想するのは不可能なのと同じだ。
場の太陽の指輪4枚のコントロールを奪取して集めたい!とかどんな衝動的ヘイトだよ…。
ただし、それもEDH(統率者戦)ならではの楽しみの側面も否定できない。
こればかりは心を広く、そういうのも楽しいな~。と思ったほうが良い。
いきなり道連れにされることもある。ショーとして楽しむ心が大事。
■まとめ
長々書いたが、少なくともGOはこれまでの
EDHの経験からこういった事を考えながら遊んでいる。
①ゲーム開始以前に相手の倒すべき順番をきめる。
②倒すべき順番の高い人のヘイト行為は頑張って妨害、
順番が低い人のヘイト行為は傍観や協力などする。
③対戦相手にとってのヘイトを予想し、立ち回る。
④上記のヘイト論を説得材料に交渉をしていく。
ミスリードする人狼を暴いて叩く。
⑤ヘイトコントロール、交渉ができるデッキ構成にしておく。
⑥そこまで策を尽くした上で、愉快犯にやられた時は笑う。
もちろん全部を考える必要はないし、
もっと頭をからっぽにして楽しむのも良い。
どうせ遊びなのだから。
個人的には、難度の高い無理ゲーに挑むのは楽しいので、
コンボなど入れず、ビートで120点を削りきりを完遂して勝てる時は格別に楽しいものだ。
皆様のEDHライフがより楽しくなりますように。
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