【コラム】連合の実験室 番外編「シミックの歴代PW紹介&解説~なぜオーコは生まれてしまったのか?~」
【コラム】連合の実験室 番外編「シミックの歴代PW紹介&解説~なぜオーコは生まれてしまったのか?~」
「た、隊長、大変です!! みんな鹿にされています」

「何事だ、隊員! これから新PWを使った実験を…」

「それどころじゃないんです!
 このままじゃ我々も鹿n…ああぁあ!」


「…鹿だ。」


シミックの隆盛とともに盛り上がりつつあった実験室に響く悲鳴…
ただ楽しく実験をし、その結果としてちょっと強いムーブができれば
満足だったシミック連合にとんでもない化け物が生まれてしまったのだ。

その原因を歴代のPWに見た我々は、真相に迫った…!


ということで今回は番外編として、歴代のシミックPWを紹介しつつ、
その魅力や活用方法に触れていきたいと思います~。
※プレインズウォーカーデッキのカードは対象外にしてます。

デッキ紹介記事まとめは下記よりどうぞ
https://manacapsule.diarynote.jp/201812100147053518/

■1枚目:もろすぎるキオーラ(神々の軍勢)

Kiora, the Crashing Wave / 荒ぶる波濤、キオーラ (2)(緑)(青)
伝説のプレインズウォーカー — キオーラ(Kiora)
[+1]:対戦相手がコントロールするパーマネント1つを対象とする。あなたの次のターンまで、それに与えられるすべてのダメージとそれが与えるすべてのダメージを軽減する。
[-1]:カードを1枚引く。このターン、あなたは追加で土地を1つプレイしてもよい。
[-5]:あなたは「あなたの終了ステップの開始時に、青の9/9のクラーケン(Kraken)・クリーチャー・トークンを1体生成する。」を持つ紋章を得る。
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それは忘れもしない2013年のクリスマスの日…
ウィザーズから素敵なプレゼントが!
そう、我らがシミック待望のプレインズウォーカーが先行公開されたのです!

妖艶な女性のPW…、浮世絵のような波のイラスト…、
その存在だけでシミックンは大興奮でした!

生まれてきてくれてありがとう。そんな特別な彼女ですが、
一応性能の方も見てみましょう。


イラスト:★★★★★
忠誠度 :★☆☆☆☆
干渉力 :★★☆☆☆
アド稼ぎ:★★★☆☆
奥義  :★★★★★


効果だけ見れば、
・自衛可能なボード干渉力
・安定的なアドバンテージ力
・ゲームを決める強力な奥義

を兼ね備えた堅実なPWに見えるのですが…

4マナ初期忠誠度2! プラス能力が+1て!!

そう、出してすぐプラス能力を使っても稲妻1枚で落ちてしまう脆さ。
全てはその欠点で台無しです。

プラス能力の対象がクリーチャーに限定されていないのはポイントで、
ダメージを発生する置物やクリーチャー化する土地なども無効化できます。
ただこれが自分のパーマネントも対象に取れれば、無敵のブロッカーが作れたり
もう少し遊びの余地が増えたかも知れません。

最大の魅力は、やはり奥義の強力さと軽さ。
スタンダード当時はこれの達成を目指したデッキを組んだものです。

EDHでの採用も十分に考えられますが、
鉄板である倍増の季節から即奥義に行けないのが本当に残念。
(この脆さを反省した結果、オーコという化け物が生まれてしまったのかも知れません…)

とは言え、やはり彼女の存在は特別で、
忠誠度の低ささえ何とかなればいつだって使ってあげたいです。


■2枚目:たくましくなったキオーラ(戦乱のゼンディカー)

Kiora, Master of the Depths / 深海の主、キオーラ (2)(緑)(青)
伝説のプレインズウォーカー — キオーラ(Kiora)
[+1]:クリーチャーを最大1体と土地を最大1つ対象とし、それらをアンタップする。
[-2]:あなたのライブラリーの一番上から4枚のカードを公開する。あなたは、その中のクリーチャー・カードを最大1枚と土地カードを最大1枚あなたの手札に加えてもよい。残りをあなたの墓地に置く。
[-8]:あなたは「クリーチャーが1体あなたのコントロール下で戦場に出るたび、クリーチャー1体を対象とする。あなたは『その戦場に出たクリーチャーはそれと格闘を行う。』を選んでもよい。」を持つ紋章を得る。その後、青の8/8のタコ(Octopus)・クリーチャー・トークンを3体生成する。
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意外と早く帰ってきたのね?
しばらく来ないだろうと思っていたシミックPWの2枚目が登場して驚いたのを覚えています。

性能としては…

イラスト:★★★☆☆
忠誠度 :★★★☆☆
干渉力 :☆☆☆☆☆
アド稼ぎ:★★★★★
奥義  :★★★★☆


初登場の欠点を克服し、
能力もシミックらしい戦略の潤滑油としてまとまっています。

活用方法としては、
・プラス能力で土地とマナクリをアンタップして2マナ加速
・マイナス能力でフィニッシャー確保
・初代に負けず劣らずの決定力のある奥義

と、特にランプデッキの軸にするのが良いですかね。

ただし、戦場への干渉力を全て捨て去っているのが最大の欠点。
こいつを守って奥義を目指すデッキは難しいので、
コントロールデッキには正直向かないですね。

あ、マイナス能力の強さは改めて強調しておきます。
デッキ構成次第ではほぼ4ドロー2ディスカードですし、
墓地肥やしとしてみても4枚と高効率。
結構応用の幅が広いので、心当たりのある方は選択肢に入れてあげてください。


■3枚目:突然の参入!Xニッサ(アモンケット)

Nissa, Steward of Elements / 自然に仕える者、ニッサ (X)(緑)(青)
伝説のプレインズウォーカー — ニッサ(Nissa)
[+2]:占術2を行う。
[0]:あなたのライブラリーの一番上のカードを見る。それが土地カードであるか、点数で見たマナ・コストが自然に仕える者、ニッサの上に置かれている忠誠(loyalty)カウンターの総数以下であるクリーチャー・カードであるなら、あなたはそのカードを戦場に出してもよい。
[-6]:あなたがコントロールする土地最大2つを対象とし、それらをアンタップする。ターン終了時まで、それらは飛行と速攻を持つ5/5のエレメンタル(Elemental)・クリーチャーになる。それらは土地でもある。
X


これこれ! こういう変態的な独自性こそシミックだよね!!

初のXマナで唱えるPW。その特別な性質は未だに類を見ません。


イラスト:★★★☆☆
忠誠度 :★★★☆☆
干渉力 :☆☆☆☆☆
アド稼ぎ:★★★★☆
奥義  :★★★☆☆

3マナ(X=1)で唱えても初代と同じ忠誠度3になれる+2の堅さと、
X=6で唱えれば即奥義で10点火力的に使える柔軟さがとっても魅力的ですね。
0能力は空振りの可能性も高いですが、上手く使えたときのテンポ&ボードアドバンテージはでかい。

ちなみにオースブレイカーでは、
こいつと《ニッサの勝利》で土地をサーチしまくるデッキを組んで、
場を凍り付かせたという実績の持ち主でもあります。

 ※そのときの様子はこちらの記事で。
  https://manacapsule.diarynote.jp/201908101830197826/


■4枚目:意外と優秀?なキオーラ(灯争大戦)

Kiora, Behemoth Beckoner / ビヒモスを招く者、キオーラ (2)(緑/青)
伝説のプレインズウォーカー — キオーラ(Kiora)
パワーが4以上のクリーチャーが1体あなたのコントロール下で戦場に出るたび、カードを1枚引く。
[-1]:パーマネント1つを対象とし、それをアンタップする。
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イラスト:★★★☆☆
忠誠度 :★★★★★
干渉力 :☆☆☆☆☆
アド稼ぎ:★★★☆☆
奥義  :☆☆☆☆☆


継続ドロー、パーマネントアンタッパー、どちらも3マナの置物として
十分な性能を担保していて、それが忠誠度の堅さで時間稼ぎとしても機能している。

3マナという軽さも相まって、地味ながら扱いやすい子になっていました。

実際にスタンのデッキも組んでますので、興味あれば。
https://manacapsule.diarynote.jp/201905172258595670/


■5枚目:3人目はまさかのタミヨウ!(灯争大戦)

Tamiyo, Collector of Tales / 伝承の収集者、タミヨウ (2)(緑)(青)
伝説のプレインズウォーカー — タミヨウ(Tamiyo)
対戦相手がコントロールしている呪文や能力は、あなたにカードを捨てさせることもパーマネントを生け贄に捧げさせることもできない。
[+1]:土地でないカード名1つを選び、その後あなたのライブラリーの一番上からカードを4枚公開する。その中から、その選ばれた名前を持つカードをすべてあなたの手札に加え、残りをあなたの墓地に置く。
[-3]:あなたの墓地からカード1枚を対象とし、それをあなたの手札に戻す。
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たた、タミヨウさんがシミックにぃ!?

実は、一番最初にPWという存在を知ったのはタミヨウさんでした。
それが連合に加入したと思うと…感慨深いですねぇ。


イラスト:★★★★★
忠誠度 :★★★☆☆
干渉力 :☆☆☆☆☆
アド稼ぎ:★★★★☆
奥義  :☆☆☆☆☆


灯争大戦PWの常在型能力としては異質で、色(黒)対策に特化しています。
このせいでメインから積むのが少し抵抗あるんですよね…

プラス能力の不安定さもフェアデッキが使う性能じゃないですし、
墓地回収だけすると忠誠度の残りもわずかになってしまうので、
本当に黒対策か、墓地利用デッキに特化する感じがあまり好みじゃないかな…


■6枚目:そして伝説へ…(エルドレインの王権)

さぁ、お待たせしました。

ここまで歴代PWを見てきましたが、
シミックカラーのPWに必要なもの、足りないものが見えてきましたね?

必要なものは…
 変態的なオリジナリティ


足りないものは…
 ガチに戦うための干渉力


そして…、

Oko, Thief of Crowns / 王冠泥棒、オーコ (1)(緑)(青)
伝説のプレインズウォーカー — オーコ(Oko)
[+2]:食物(Food)トークンを1つ生成する。(それは「(2),(T),このアーティファクトを生け贄に捧げる:あなたは3点のライフを得る。」を持つアーティファクトである。)
[+1]:アーティファクト1つかクリーチャー1体を対象とする。それは能力をすべて失い、基本のパワーとタフネスが3/3の緑の大鹿(Elk)クリーチャーになる。
[-5]:あなたがコントロールしているアーティファクト1つかクリーチャー1体と、対戦相手がコントロールしていてパワーが3以下のクリーチャー1体を対象とし、それらのコントロールを交換する。
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いや、見た目が変態になっとるやないかーい!

その性能はすでに皆さんも実感されている通りです。


イラスト:★★★★☆
忠誠度 :★★★★★★★
干渉力 :★★★★★★★★
アド稼ぎ:★★☆☆☆
奥義  :★★★☆☆


やりすぎぃ!

ここでは、一番の問題点である小プラスについてツッコんでおきます。

・+1じゃない! ±0でもない! -3でも強いっす!
・せめて破壊して! 破壊不能も、墓地利用も妨害してるし、統率者は沈黙だってぇ!
・ファクトが対象取れるのもやりすぎ。クリーチャーと食物限定でも良かったはず!
・破壊しないなら、なぜ永続する?
 カエル化パターンならせめて「あなたの次のターンまで」でしょうがぁ!



…ふぅ、ふぅ、ふぅ。

ハイドロイドあたりから続く、雑つよカード達。
実験大好きなシミックンといては、実験の余地なくただ強いので、
複雑な気持ちです。。

今回の反省を活かし、シミックカラーが持つ本来の魅力を体現するPWが現れることを期待して、
今はただ、与えられた力を各フォーマットで堪能させてもらおうと思います。
禁止されるその日まで


といったところで今回はここまで。

せっかく全員紹介できたことですし、オールスターを入れたEDHデッキでも組んでみようかな?
それではまた次の機会に!

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