【コラム】EDHの楽しみ方の考察
2018年11月29日 コラム コメント (2)こんにちはもしくはこんばんは。
Mana CapsuleのGOだ。
今回はEDHについて、それも構築論とかではなく、
いかにして楽しい戦いが実現できるかという楽しみ方論について
書いていこうと思う。
なぜこんな記事かというと、EDHのデッキレシピ、
デッキの組み方やEDHでのマナベースについての
記事などは非常に多くあるけども、EDHの"楽しみ方"については
そんなに記事が多くないなと思ったので書いてみることにした。
また、自分自身もEDHの楽しみ方がイマイチつかめない時期があったので、
何を楽しむべきかわからない人向けに読んでいただければ。
■EDHはそもそも何が楽しいのか?
EDH(統率者戦)と通常の構築フォーマットの最大の違いは、
多人数戦であるがゆえの「勝利とは相反するはずの対戦相手との協力」
があるところが醍醐味だ。
例えば、何かしらの方法で40/40のクリーチャーを誰かが用意するとする。
これはレガシーで言うマリッドレイジを出すのとほぼ同じだ。
1撃必殺兵器である。
そのときに他の3人のプレイヤ―は全員必ず脅威を感じる。
結果、この時のそのクリーチャーを出したプレイヤーを先に敗北させるか、
もしくはクリーチャーをどう対処をするか。
といった場の流れになり対戦者同士の一時的な協力関係が生まれる。
このように最後まで立っていたプレイヤーが勝ちというサバイバルな
ルールでの、勝利までの過程にある政治要素、コミュニケーション要素
が楽しみだと考える。
■EDHのカジュアルとガチについて
さて、そんなEDHにおいてはカジュアルデッキとガチデッキ
というものが存在する。
そのデッキの差は先程書いた「対戦相手との協力」
を無視できる勝利手段を使うかどうかだと思っている。
たとえば対戦相手全員を瞬殺する "即死コンボ" を積むかどうかなどである。
コンボはEDHでは直接的な勝ち手段で、成立した時点で政治や
コミュニケーションを無視して全員を倒せるからだ。
ただし、これは先程書いたEDHの醍醐味(コミュニケーション要素)を
無視するのが"ガチデッキ"という結論になるわけだ。
■EDHのガチには多人数戦の醍醐味はない?
ガチデッキを用意すると、せっかく多人数なのに勝ちに向かうだけで
コミュニケーションは無い。
2人対戦と同じではないか?楽しくないのか?
…やった事がある人はわかるが、それもまた違う。
ガチデッキ"同士"の対戦なると、相応の駆け引きがあって楽しいのだ。
いつ仕掛けるか、誰にどのタイミングで妨害を挟むか?
といったやり取りが4人の中で発生する。
試合時間も短いし、カジュアルのコミュニケーションとは違った
楽しさがあるのだ。
■EDHはガチとカジュアルでそもそも楽しみ所が異なる!?
つまり、EDHという一つのフォーマットでも、
カジュアル同士での対戦における楽しみと、
ガチ同士での対戦における楽しみ方のポイントが全く異なるのだ
あえて例えるならば、ガチデッキ同士の戦いは"麻雀"※1に近く、
カジュアルデッキ同士の戦いはボードゲームの"フンタ"※2に近い。
ガチであれば、コンボに至るまでの駆け引きに醍醐味があり、
カジュアルであれば、盤面や状況による協力、裏切りという
コミュニケーションが醍醐味になるのだ。
※1 4人で得点を競うボードゲーム
いかにアガリを目指すかという点がいかにコンボを決めるかに似ている。
周りとの協力は出来なくはないが要素として薄め。
※2 汚職政治家になりきるボードゲームで協力あり、裏切りあり。
政治家らしく、だいたいがディベート大会になるボードゲーム。
EDHもディベートこそ楽しかったりする?
■EDHの楽しみ方:その1「卓でどちらの楽しみ方になるかを予想する」
ここまでで、ガチデッキとカジュアルデッキで楽しみのポイントが
異なるという事を書いた。
そうなると楽しく遊ぶ為にまずは、一緒に遊ぶ周りの人が
どんなデッキで遊ぶか?という予想はすごく大事だ。
例えば、カジュアルデッキ3人の中にガチデッキが1人いると、
その人がコンボを決めまくって寒い状況になったりする。
ガチデッキ3人の中にカジュアルデッキ1人となると、
その人はゲームに参加出来ない状態ばかりになってしまう。
誰とどんなふうに遊ぶか?という遊び方を予想するところから、
遊び方に向けたデッキ構築が始まるのだ。
カジュアルな場にはカジュアルな楽しみ方ができるデッキを、
ガチな場にはガチな楽しみ方ができるデッキを組むと楽しい。
■EDHの楽しみ方:その2「カジュアルでの【盤面要望】という考え方」
カジュアルにEDHを楽しむのであれば、「ドラゴン、デカブツで勝つ」や
「統率者パンチで勝つ」など、勝ち手段は必要にはなるが、
楽しむために必須となるのは、
「いかに政治的なやりとりを周りのプレイヤーとできるか?」だと思う。
たとえば、冒頭の例の様な40/40のクリーチャーを誰かが場に出そうとした
時に、出された3人の中で、カウンターか、もしくは除去しなければならない
という、その卓の中での【盤面要望】が発生する。
この場合はカウンターor単体除去or全体除去など回答札を誰かが切れば
良いのだが、誰が切るか、本当にそのクリーチャーに今切るべきか、
というのを相談するという政治的な醍醐味が味わえるわけだ。
カジュアルだからといって、自分が出したいだけのデカブツだけを
デッキに入れても、プレイが案外楽しくないのは、
そこに政治的相談が発生しないからである。
デカブツを出し切って3人を轢き殺すか、
妨害されて沈黙するかだけになってしまうので、
プレイに柔軟性が無くなりコミュニケーションの蚊帳の外に
なってしまうのである(経験談)
カジュアルデッキを組むなら、この【盤面要望】という考え方を
強く意識したい。
勝ち手段は、3人にとっての【盤面要望】を発生させうるモノがいい。
デカブツを多数並べたり、ライフを削るヤバイ置物を置いたり、
統率者をムキムキにすれば盛り上がる。
また、無限コンボだとしても、オープンリーチのような
「次のターン来たら勝ち」といったモノは
強い【盤面要望】を生むので、これもアリだったりする。
もちろん自分は世界の敵となるわけだが。
そして、相手の【盤面要望】の対応を相談できるだけの"対応札"や
サーチカードをデッキには複数(最低10枚以上?お好み)は入れておきたい。
【盤面要望】に対応する事を考慮すると、
たとえは自分がクリーチャーを並べるタイプのデッキでも
全体除去は1~2枚積んでおくと良いという結論に至る。
本来はアンチシナジーだが、周りとの相談できるカードを入れたほうが
"楽しい"というデッキの強さとは全く別の観点でカードを選択ができる。
「寒くない勝ち手段にしようね」と「適度な妨害札積もうね」
というごくごく当たり前の話なのだが。
【盤面要望】を意識して組んでみると、コミュニケーションが
発生しやすくなり、結果楽しくなる。
■EDHの楽しみ方:その3「ガチデッキ【攻撃】【防御】【速度】【ドロー】」
ガチデッキで楽しむのは簡単だ、4人の中で真っ直ぐ勝ちに向かえばいい。
こちらは世の中にいくらでもリストがあるので。
特に自分が書く必要はなさそうだ。
あえて書く事があるならば、ガチデッキといえど、
【攻撃】勝つためのコンボ、勝ち筋を用意する。
【防御】コンボを守る、もしくは相手のコンボを妨害する対応札を入れる。
【加速】最速でコンボに到達できる加速をいれる。
【ドロー】すべて使い果たした後でリソース補充できるドローカードを入れる。
という役割でデッキが構成されるので、
誰かのリストのカードの役割が何なのかを理解すれば、
自分なりのチューニングや、安い代替カードへの切り替えをしても
強さを維持できる。
■最後に
長々書いたが
「EDHのガチとカジュアルは楽しむべきポイントがまったく違う。
それぞれ構築時に意識したい」
「カジュアルはコミュニケーションが楽しいから、それをする事を意識してデッキを組みたい」
「ガチなら勝てる構築で挑みたい」
ということである。
このポイントがズレると、プレイしてもいまいち楽しくないデッキが
出来てしまうし、プレイするプレイヤー自身もイマイチ何が楽しいか
がわからない状態で遊ぶことになる。
皆様のEDHライフがより楽しくなりますように。
Mana CapsuleのGOだ。
今回はEDHについて、それも構築論とかではなく、
いかにして楽しい戦いが実現できるかという楽しみ方論について
書いていこうと思う。
なぜこんな記事かというと、EDHのデッキレシピ、
デッキの組み方やEDHでのマナベースについての
記事などは非常に多くあるけども、EDHの"楽しみ方"については
そんなに記事が多くないなと思ったので書いてみることにした。
また、自分自身もEDHの楽しみ方がイマイチつかめない時期があったので、
何を楽しむべきかわからない人向けに読んでいただければ。
■EDHはそもそも何が楽しいのか?
EDH(統率者戦)と通常の構築フォーマットの最大の違いは、
多人数戦であるがゆえの「勝利とは相反するはずの対戦相手との協力」
があるところが醍醐味だ。
例えば、何かしらの方法で40/40のクリーチャーを誰かが用意するとする。
これはレガシーで言うマリッドレイジを出すのとほぼ同じだ。
1撃必殺兵器である。
そのときに他の3人のプレイヤ―は全員必ず脅威を感じる。
結果、この時のそのクリーチャーを出したプレイヤーを先に敗北させるか、
もしくはクリーチャーをどう対処をするか。
といった場の流れになり対戦者同士の一時的な協力関係が生まれる。
このように最後まで立っていたプレイヤーが勝ちというサバイバルな
ルールでの、勝利までの過程にある政治要素、コミュニケーション要素
が楽しみだと考える。
■EDHのカジュアルとガチについて
さて、そんなEDHにおいてはカジュアルデッキとガチデッキ
というものが存在する。
そのデッキの差は先程書いた「対戦相手との協力」
を無視できる勝利手段を使うかどうかだと思っている。
たとえば対戦相手全員を瞬殺する "即死コンボ" を積むかどうかなどである。
コンボはEDHでは直接的な勝ち手段で、成立した時点で政治や
コミュニケーションを無視して全員を倒せるからだ。
ただし、これは先程書いたEDHの醍醐味(コミュニケーション要素)を
無視するのが"ガチデッキ"という結論になるわけだ。
■EDHのガチには多人数戦の醍醐味はない?
ガチデッキを用意すると、せっかく多人数なのに勝ちに向かうだけで
コミュニケーションは無い。
2人対戦と同じではないか?楽しくないのか?
…やった事がある人はわかるが、それもまた違う。
ガチデッキ"同士"の対戦なると、相応の駆け引きがあって楽しいのだ。
いつ仕掛けるか、誰にどのタイミングで妨害を挟むか?
といったやり取りが4人の中で発生する。
試合時間も短いし、カジュアルのコミュニケーションとは違った
楽しさがあるのだ。
■EDHはガチとカジュアルでそもそも楽しみ所が異なる!?
つまり、EDHという一つのフォーマットでも、
カジュアル同士での対戦における楽しみと、
ガチ同士での対戦における楽しみ方のポイントが全く異なるのだ
あえて例えるならば、ガチデッキ同士の戦いは"麻雀"※1に近く、
カジュアルデッキ同士の戦いはボードゲームの"フンタ"※2に近い。
ガチであれば、コンボに至るまでの駆け引きに醍醐味があり、
カジュアルであれば、盤面や状況による協力、裏切りという
コミュニケーションが醍醐味になるのだ。
※1 4人で得点を競うボードゲーム
いかにアガリを目指すかという点がいかにコンボを決めるかに似ている。
周りとの協力は出来なくはないが要素として薄め。
※2 汚職政治家になりきるボードゲームで協力あり、裏切りあり。
政治家らしく、だいたいがディベート大会になるボードゲーム。
EDHもディベートこそ楽しかったりする?
■EDHの楽しみ方:その1「卓でどちらの楽しみ方になるかを予想する」
ここまでで、ガチデッキとカジュアルデッキで楽しみのポイントが
異なるという事を書いた。
そうなると楽しく遊ぶ為にまずは、一緒に遊ぶ周りの人が
どんなデッキで遊ぶか?という予想はすごく大事だ。
例えば、カジュアルデッキ3人の中にガチデッキが1人いると、
その人がコンボを決めまくって寒い状況になったりする。
ガチデッキ3人の中にカジュアルデッキ1人となると、
その人はゲームに参加出来ない状態ばかりになってしまう。
誰とどんなふうに遊ぶか?という遊び方を予想するところから、
遊び方に向けたデッキ構築が始まるのだ。
カジュアルな場にはカジュアルな楽しみ方ができるデッキを、
ガチな場にはガチな楽しみ方ができるデッキを組むと楽しい。
■EDHの楽しみ方:その2「カジュアルでの【盤面要望】という考え方」
カジュアルにEDHを楽しむのであれば、「ドラゴン、デカブツで勝つ」や
「統率者パンチで勝つ」など、勝ち手段は必要にはなるが、
楽しむために必須となるのは、
「いかに政治的なやりとりを周りのプレイヤーとできるか?」だと思う。
たとえば、冒頭の例の様な40/40のクリーチャーを誰かが場に出そうとした
時に、出された3人の中で、カウンターか、もしくは除去しなければならない
という、その卓の中での【盤面要望】が発生する。
この場合はカウンターor単体除去or全体除去など回答札を誰かが切れば
良いのだが、誰が切るか、本当にそのクリーチャーに今切るべきか、
というのを相談するという政治的な醍醐味が味わえるわけだ。
カジュアルだからといって、自分が出したいだけのデカブツだけを
デッキに入れても、プレイが案外楽しくないのは、
そこに政治的相談が発生しないからである。
デカブツを出し切って3人を轢き殺すか、
妨害されて沈黙するかだけになってしまうので、
プレイに柔軟性が無くなりコミュニケーションの蚊帳の外に
なってしまうのである(経験談)
カジュアルデッキを組むなら、この【盤面要望】という考え方を
強く意識したい。
勝ち手段は、3人にとっての【盤面要望】を発生させうるモノがいい。
デカブツを多数並べたり、ライフを削るヤバイ置物を置いたり、
統率者をムキムキにすれば盛り上がる。
また、無限コンボだとしても、オープンリーチのような
「次のターン来たら勝ち」といったモノは
強い【盤面要望】を生むので、これもアリだったりする。
もちろん自分は世界の敵となるわけだが。
そして、相手の【盤面要望】の対応を相談できるだけの"対応札"や
サーチカードをデッキには複数(最低10枚以上?お好み)は入れておきたい。
【盤面要望】に対応する事を考慮すると、
たとえは自分がクリーチャーを並べるタイプのデッキでも
全体除去は1~2枚積んでおくと良いという結論に至る。
本来はアンチシナジーだが、周りとの相談できるカードを入れたほうが
"楽しい"というデッキの強さとは全く別の観点でカードを選択ができる。
「寒くない勝ち手段にしようね」と「適度な妨害札積もうね」
というごくごく当たり前の話なのだが。
【盤面要望】を意識して組んでみると、コミュニケーションが
発生しやすくなり、結果楽しくなる。
■EDHの楽しみ方:その3「ガチデッキ【攻撃】【防御】【速度】【ドロー】」
ガチデッキで楽しむのは簡単だ、4人の中で真っ直ぐ勝ちに向かえばいい。
こちらは世の中にいくらでもリストがあるので。
特に自分が書く必要はなさそうだ。
あえて書く事があるならば、ガチデッキといえど、
【攻撃】勝つためのコンボ、勝ち筋を用意する。
【防御】コンボを守る、もしくは相手のコンボを妨害する対応札を入れる。
【加速】最速でコンボに到達できる加速をいれる。
【ドロー】すべて使い果たした後でリソース補充できるドローカードを入れる。
という役割でデッキが構成されるので、
誰かのリストのカードの役割が何なのかを理解すれば、
自分なりのチューニングや、安い代替カードへの切り替えをしても
強さを維持できる。
■最後に
長々書いたが
「EDHのガチとカジュアルは楽しむべきポイントがまったく違う。
それぞれ構築時に意識したい」
「カジュアルはコミュニケーションが楽しいから、それをする事を意識してデッキを組みたい」
「ガチなら勝てる構築で挑みたい」
ということである。
このポイントがズレると、プレイしてもいまいち楽しくないデッキが
出来てしまうし、プレイするプレイヤー自身もイマイチ何が楽しいか
がわからない状態で遊ぶことになる。
皆様のEDHライフがより楽しくなりますように。